コールアカデミーの1年間

ここではコールアカデミーの1年間の活動を、4月から順にご紹介します。 ちょっと長いですが全て網羅していますよ!

4月:入学式

コールアカデミーは東京大学本部からの依頼を受け、新入生の皆さんの前で東京大学の歌を演奏します。 この依頼演奏はなんと65年以上も続いていて、コールアカデミーの大切な仕事のひとつです。 近年は音楽部女声合唱団コーロ・レティツィアと一緒に行っています。

ちなみに、よほどのことがない限り東大の入学式は日本武道館で行われます。 ……そう、毎年武道館ライブができるんです!ただし演目が大学歌だけなのはご愛嬌。

4月:新歓合唱祭

東大の合唱団が集まって、駒場の900番講堂で行う新歓イベントです。 各団がそれぞれの持ち時間で数曲を歌い、演奏の質だけでなく、その団体の雰囲気も掴むことのできるイベントです。

新歓合唱祭後は、各団で体験練習や新歓コンパが行われるのが通例となっています。 コールアカデミーも体験練習とコンパを行います。お楽しみに!

5月:第69回東京六大学合唱連盟定期演奏会(通称「六連」)

東京、慶応、早稲田、明治、法政、立教の6つの男声大学合唱団によるジョイントコンサートで、今年は府中の森芸術劇場で開催されます。 どの団も「男声合唱にしかできない音楽」を愚直に追い求めているので、個性が強く飽きません。 特にコールアカデミーは、「ポリフォニー」(明確なメロディパートがなく、ハーモニーが特徴的)を扱う団として、一目置かれています。 また、200人もの歌い手が織りなす壮観な合同ステージ、著名な作曲家への委嘱(新曲執筆の委託)など、合同イベントならではの目玉も!

ちなみに、開演最初の演目は各大学が各々の学校のエールを歌う「エール交換」で、当日参加できる新入生はここでステージデビューを果たせます!

5月:五月祭

毎年10万人以上が訪れる、全国最大級の大学祭です。 コールアカデミーは、安田講堂で行われる五月祭合唱祭に参加します。 各合唱団がそれぞれ演奏を披露するのですが、この時のコールアカデミーの演奏を聴いて入団したという新入生も…!

6月:サマーコンサート

今年が第1回目の演奏会で、6月28日に安田講堂での開催を予定している、コールアカデミー単独での演奏会となります。 中でも、古楽研究の権威である有村祐輔先生の指揮のもと歌うポリフォニーは、貴重な経験になります。 そして、この演奏会が新入生の本格デビューの場となります。

8月:夏合宿

ヒートアイランドで暑さのピークにある東京から脱出して、向かうのは北軽井沢の「石田観光農園」。 秋以降に続く数々の演奏への強化合宿なので、6泊7日でとにかく練習!一気にステップアップを図ります。

練習は飽きが来ないよう、カルテット(4人1組)で大会を開いたり、ふだんと違う発声メニューを組んだり、時には楽典のミニ講義を設けるなど……。 時間がある合宿ならではの工夫を取り入れた練習をしています。

農園でもある宿のご主人やそのご家族は、皆さんとても心温かく、毎食おいしく健康的な料理を振る舞ってくれます。

とはいえ、ただ歌うだけではありません。 原生林が未だ残る近辺の散策、バーベキュー、有志によるコント、同宿する他合唱団との交流。そして最終日、夜を徹して行われる打ち上げ! 遅くまで起きていれば、忙しい研究生活やインターンの合間をぬってやってくる先輩やOBから、含蓄のある話が聞けることもしばしば……。

まさに1週間ひとつ屋根の下、声も心もハモるころには、あなたも一人前の団員(コールメン)です!

9・10月:学位記授与式・卒業式・入学式

秋季に入学する主に留学生を対象とする秋の式典です。 安田講堂の2階席で、弦楽カルテットの伴奏と共に「大空と」「ただ一つ」の2曲を歌います。 2階席の前方で歌うので、最前列で立って歌う団員は高さのスリルを味わいながら歌えるそう。

10月:ホームカミングデー

東大の卒業生に「いまの東大」を紹介するイベントです。 ここではコールアカデミーのOBと合同で曲を演奏することになります。 OBが加わることで、普段とは少し違った、割合大規模な合唱を楽しむことができますよ!

11月:駒場祭

これも毎年10万人前後が訪れる、駒場キャンパスの大学祭です。 コールアカデミーは「合唱喫茶Tutti」を出店し、専門店から仕入れたケーキや紅茶、豆から淹れたコーヒーを、歌声とともにお送りしています。 合唱を聴きながらゆったりとした時間を過ごせる店として、毎年お店は大盛況! お客さんからのリクエスト演奏も好評を博しています。 本郷キャンパスは駒場祭にかかわりなく平常授業なので、2年生の駒場指揮者(副学生指揮者)の手腕が試される一幕も!? これまでに模擬店・喫茶店部門で第2位を受賞したこともあり、多くのお客様から大変ご好評を頂いております。

また、コールアカデミーは900番講堂で行われる駒場祭合唱祭にも出演します。 こちらでは、定期演奏会で演奏予定の曲を数曲披露することが多いです。

12月:第67回定期演奏会

一年間の総決算となる演奏会です。不定期だったころから通算すると、今回で107回目となります。 一年の成果を発揮する音楽部合唱団の単独演奏会なので、その緊張感や達成感は他の演奏会とは段違いです。 歌い手も現役団員だけではなく、下は20代から上は80代まで、幅広い世代のOBとともに演奏する合同ステージも用意します。 新入生の皆さんが、一年間高めてきた演奏能力を遺憾なく発揮する舞台となるでしょう!

とはいえ、演奏会の楽しみはなにも歌だけではありません。 演奏会をつくりあげる充実感、この一年間で知り合った人たちからの差し入れ、演奏会後の打ち上げ、勢い余って繰り出す深夜のカラオケ……。 数々の思い出を胸に、団員たちは試験期間へと突入していきます。

3月:春合宿

東大生の合宿といえば、富士五湖は定番のひとつ。山梨県は河口湖湖畔の民宿「ロッヂコニシ」で、5泊6日の合宿を開きます。 この合宿のポイントは、1ヶ月半後に六連が控えていること。 ヴォイストレーナーはもちろん、指揮者の先生にも来ていただくなど、かなり本番を意識した練習が行われます。 他には、新歓に向けたミーティングや、新歓合唱祭の練習などなど。 もちろん、カルテット大会をはじめとした合宿恒例のイベントもあります。

ところでこの民宿、ご飯がべらぼうにうまい!ついつい食が進んでしまいます。 素晴らしい環境の中で、存分に食っては寝て、そして、練習することができるんです。

3月:学位記授与式・卒業式

入学式と同様、コールアカデミーは卒業式でも演奏しています。これも65年以上続く伝統行事です。 会場は秋と同じ安田講堂ですが、春は人数が多いため文系・理系に分けて行われます。

ちなみに春の卒業式では、総長・理事・学部長といった方々だけでなく、著名な各学部卒業生も1~2名ずつ招かれて登壇します。 その中には、コールアカデミーのOBがいることもあり、秋とはまた違った意味で身の引き締まる思いです。

3月:フェアウェルパーティー

コールアカデミーを卒団する団員を祝おうという行事です。 大学院生になっても練習に参加はできますが、就職する人には最後のイベントになりますし、団員生活の区切りとなる重要な行事です。

もちろん、単に飲み食いするだけではありません。 下級生はパートごとに卒業生へプレゼントを送り、卒業生は4年間の鍛錬を証明する見事な歌声を披露します。 そして積もる話を抱えた団員の多くが、二次会で時間を忘れて語らい合い、そして終電を逃すのです……。

その他

原則として自由参加ですが、年に1~2回ほど、民間企業・スポーツイベント・音楽教室からの演奏依頼を受けたり、臨時の演奏会を計画・参加したりしています。 数年前には、BS-TBSの番組「日本名曲アルバム」へのテレビ出演を果たしました。 また、コールアカデミーを母体とする団体「Ensemble Crane」が、春のコーラスコンテストでルネサンスバロック男声部門第1位を獲得しました。

2012年度にはOB合唱団とともに、日米災害復興支援コンサートを企画しました。 代々木で東京公演を成功させたのち渡米し、ニューヨークのカーネギーホールで演奏を行ました! こちらも2000人以上のお客さんが集まり、大盛会となりました!

また、公式イベントではありませんが、有志でひっそりとイベントを企画することもあります。 カラオケ、学年会、ゲーム、パート飲み、ストリートライブ、闇鍋、花見、時には女声合唱団との交流会・食事会などなど……。

おもしろいイベントを増やしたれば、自分で企画してしまえばいいのです!