団紹介
沿革
当団は1920(大正9)年9月に、東京帝国大学の音楽部として発足しました。
翌1921(大正10)年2月には、現在の東京大学音楽部管弦楽団(東大オケ)と第1回の演奏会を開きます。この合同演奏会は一時中断するも戦後まで続き、全40回を数えました。
戦後、活動を再開すると、東京帝国大学・東京大学の式典奏楽を担当するかたわら、1946(昭和21)年には薗田誠一氏を常任指揮者に迎え、1947,1948(昭和22,23)年の関東合唱コンクールにて優勝しました。コールアカデミーを名乗ったのもこの間、1947(昭和22)年のNHKラジオ「愛唱歌の時間」への連続出演がきっかけでした。
1954(昭和29)年からは、宗教音楽の権威である故前田幸市郎氏を常任指揮者に迎え、コンクールには出場しないという運営方針を固めます。また、同年には東大オケと演奏会を分けることになり、コールアカデミー単独で第1回定期演奏会を開きました。
1968(昭和43)年には、宮下正氏をヴォイストレーナーに迎え、以来、軽く澄んだ発声は当団の目指すところです。
1989(平成元)年に前田氏が亡くなったあとは、あえて常任指揮者を定めず、男声合唱としては稀有な“ハーモニー徹底”の理念を堅持し、現在に至ります。
1954年以降、西洋古典音楽を中心としたレパートリーは当団にとって重要な位置を占めています。 前田氏の没後も、カウンターテナーを用いる数少ないアマチュア合唱団のひとつとして、古楽研究の権威である有村祐輔氏に毎年ご教授願うほか、プロの奏者を招聘し技術指導を受けるなど、たゆまず研究を続けています。
とはいえ、西洋古典音楽のみに傾倒することもよしとせず、藤原義久氏に「法華懺法」等、故高田三郎氏に「野分」等、新実徳英氏に「芭蕉の句による『月に詠ふ』」、OB合唱団と合同で多田武彦氏に「東京景物詩」を委嘱しています。 東京六大学合同での委嘱も数多く、日本人ならではの男声合唱へ目を向けることも忘れていません。
また、海外への演奏旅行も積極的に行い、1970(昭和45)年にはドイツ外務省の招聘で文化使節として渡欧、ボン、ケルン、グラーツ、チュービンゲンなどで演奏を行い、各方面から絶賛を受けました。 1992(平成4)年にも当地からの招聘を受け、ケルン、フライブルク、ブレーメン、ベルリンなどで演奏を行いました。 1998(平成10)年にもドイツ演奏旅行を行い、ベルリンほか各都市の教会などでミサ曲を中心にレパートリーを披露しました。 2013(平成25)年には渡米、OB合唱団と合同でカーネギーホールにて演奏を行いました。
これらに加え、2002(平成14)年からは、北京大学学生合唱団、ソウル国立大学合唱団、ベトナム国家大学ハノイ校(通称ハノイ大学)合唱団との合同演奏会「BESETOHA Choral Festival(ベセトハ合唱祭)」が各国持ち回りで隔年開催されており、他国開催の年には現地へ渡航して演奏しています。
近年の演奏活動
コールアカデミーは、毎年12月に行われる「定期演奏会」を中心に、5月の「東京六大学合唱連盟定期演奏会」、7月の「東京大学音楽部コールアカデミー 京都大学グリークラブ ジョイントコンサート」、また、隔年で開催される「BESETOHA Choral Festival」といった演奏会を活動の軸とし、不定期に音楽教室・スポーツイベント・民間企業等からの依頼演奏を行っています。
上記の活動以外にも、「東京大学入学式」や「東京大学卒業式」などの学内公式行事にて、音楽部の合唱団として、大学本部より依頼を受けて演奏を行っています。
略年表
1920. | 9. | 東京帝国大学音楽部として創立。合唱教導澤崎定之氏(のち常任指揮者)。 |
1933. | 伊藤武雄氏を常任指揮者に迎える。 | |
1946. | 4. | 薗田誠一氏を常任指揮者に迎える。 |
1947. | 2. | 南原繁総長(当時)の依頼を受け、東京帝国大学の式典奏楽を執行。また大学歌制定に参画。以降、現在に至るまで大学本部主催の各種式典の奏楽を担当。 |
1947. | 6. | NHKラジオ「愛唱歌の時間」で公演した際、コールアカデミーを名乗る。 |
1947. | 9. | 東京帝国大学が東京大学へ改称されたのに合わせ、団名を修正。 |
1949. | 5. | 学制改革に際し、ひとまず本郷生のみの合唱団として活動を継続。 |
1952. | 6. | 第1回東京六大学合唱連盟定期演奏会にて演奏。以降、毎回参加。 |
1954. | 4. | 宗教音楽の権威である故前田幸市郎氏を常任指揮者に迎える。また、駒場生を含めた4年制へ移行。 |
1954. | 12. | 第1回定期演奏会を開催。 |
1957. | 3. | 仙台にて、初の国内演奏旅行。以降、BESETOHA Choral Festivalを組織するまで年中行事。 |
1957. | 12. | 東京にて、カリフォルニア大学合唱団とジョイントコンサートを開催。 |
1958. | 12. | この年OB合唱団「アカデミカコール」結成、第5回定期演奏会にて初ステージ。 |
1968. | 4. | 宮下正氏をボイストレーナーとして迎える。 |
1970. | 2-3. | ボン、ケルン、グラーツ、チュービンゲンなどのドイツ語圏各都市にて、文化使節として演奏旅行。 |
1971. | 7. | 京都にて、第1回東京大学音楽部コールアカデミー・京都大学グリークラブジョイントコンサートを開催。以降、74年から11年まで毎年、13年より隔年で開催。 |
1980. | 5. | 第29回東京六大学合唱連盟定期演奏会において、初めてカウンターテナーのパートを設ける。 |
1989. | 9. | 前田氏逝去。この頃よりカウンターテナーを用いた奏法を平時の練習に取り入れ、現在に至る。 |
1992. | 12. | ケルン、フライブルク、ブレーメン、ベルリンなどで演奏旅行。 |
1996. | 9. | 第76回東京大学教養学部オルガン演奏会において、合唱パートをケンブリッジ大学キングズ・カレッジ コレギウム・レガーレ合唱団と共演。 |
1998. | 12. | ベルリンを中心に、ドイツ諸都市にて演奏旅行。 |
2002. | 1. | ソウルおよび東京にて、ソウル国立大学混声合唱団(現ソウル国立大学合唱団)とジョイントコンサートを開催。 |
2002. | 10. | ソウルで開催されたThe 1st BESETOHA Choral Festival (第1回ベセトハ合唱祭)にて演奏。以降、毎回参加し、当番年には東京において主催。 |
2004. | 3. | 合唱を通じた長年の海外交流などを理由に、2003(平成15)年度東京大学総長賞を受賞。 |
2007. | 3. | 活動計画を見直し、教養学部主催の式典奏楽を他合唱団に譲る。 |
2009. | 4. | 音楽部女声合唱団を併設。以降、式典奏楽、駒場祭、BESETOHA Choral Festivalなどで合同演奏を行う。 |
2011. | 5. | 第60回東京六大学合唱連盟定期演奏会にて演奏。 |
2012. | 9. | この年、OBルネサンス合唱団「ジョーバニ」結成、第2回OB交歓演奏会にて初ステージ。 |
2013. | 2. | 東京およびニューヨークにて、OB合唱団とともに、東日本大震災復興支援と感謝の集い・ハリケーンSANDY復興支援コンサートを企画・演奏。このうち東京公演を主催。 |
2013. | 6. | 京都にて、第40回東京大学音楽部コールアカデミー・京都大学グリークラブジョイントコンサートを開催。 |
2014. | 1. | 第60回記念定期演奏会を開催。 |
2020. | 9. | 創立100周年を迎える。 |
※2022年12月現在のものです。規模の大小にかかわらず、賛助出演、依頼演奏、委嘱初演などは略しました。